シャングリラ

暁の旅立ち(1/23)


時刻は午前2時頃。
フォスの森は、完全に暗闇に沈んでいた。
そんな中をヒタヒタと歩く影が2人分。

「おい…おいおいおい…、ホントにこっちであってんのかよぉ…?」

びくびくしながら、ウォンサンが前を歩くミズーリに訊く。
だが、ミズーリは振り返ると、とぼけた顔をした。

「さぁ?」

「さぁ?…って何だよ!お前、道知ってたんじゃないのかよ!前を歩いてるって事は、道知ってるって事だぞ!」

「それ、エリーが言ってた事じゃん。」

「なんで知ってんだよ!」

と、その時だった。
ガサリ、と草が動く音がした。
すぐにウォンサンの顔が引きつり、足が止まる。
ミズーリも歩くのを止めた。

「…何をやっている…。」

2人の背後から、静かに声がした。
だが、それは聞き覚えのある声であった。
ミズーリとウォンサンがゆっくりと振り向く。
暗闇の中から現れたのは、仲間の1人。

「グラーツぅ!」

「グラーツぅ、じゃない!何でまだ、こんなところにいるんだ、お前らは!」

グラーツは怒鳴る。
だが、ミズーリはあくまで無邪気っぽく笑う。

「道に迷っちゃった。」

「馬鹿か!」

「でもよぉ、こう暗くちゃ、道も分かんなくなるぜ?」

そこへウォンサンが口を挟んだ。
だが、グラーツは容赦なく吐き捨てる。


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